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形意拳
形意拳の由来に関しては、南宋の名将岳飛を元祖とする説や明代末に山西省の姫際可（姫隆風）が槍術の理をもって考案したとする説など諸説がありますが、現在では、清朝末期、人々に「神拳李」と呼ばれた李洛能によって、 山西省の極少数の人々の間で密かに伝承されてきた戴氏心意拳を原型にして創られたという説が有力です。
形意拳は、各伝承者が普及させた地域により、河北省伝来のものを河北派形意拳、 山西省伝来のものを山西派形意拳と、大まかに分類して呼びます。かつては河南省の回族（イスラム教徒）の間に伝わる心意六合拳も河南派形意拳と称されましたが、 現在では混同を避ける為、山西省、河北省伝来の物のみを形意拳として分類されることが多くなっています。
形意門は、郭雲深、李存義、張占魁、尚雲祥など、数多くの実戦名手・高手たちを輩出したことでも有名です。蘇昱彰老師は、桑丹けい老師より河北派形意拳の真伝を受け継ぎました。桑丹けい老師は李存義の弟子の張衍慶(字雲軒)より形意拳を学びました。
形意拳では、陰陽五行説で、万物の元とされる金・水・木・火・土の五行の性質をあらわした「五行拳」（劈拳・崩拳・鑽拳・炮拳・横拳）を全ての母拳とし、さらに十二種の動物の動作の特徴から考案された十二形拳（龍形拳、虎形拳、猴形拳、馬形拳、黽形拳、鶏形拳、鷂形拳、燕形拳、蛇形拳、鳥台形拳、鷹形拳、熊形拳）などの単練動作があります。
形意拳の技法動作は一見すると素朴かつ単純ですが、ひとたび功が完成すればその威力には凄まじいものがあります。
代表的な套路には、五行属性拳、五行連環拳・雑式捶・四把捶・十二横捶などがあり、対練套路には五行砲対練・安身砲対練などが伝承されています。
形意拳では、三體式という独特の姿勢を站椿功や起勢などに用います。また形意拳では打撃の発勁原理を推進力に求めます。そのため、大きな推進力を得るために前足を前方に踏み込んだ後、さらに後足を前足の踵側に引き付けて歩を進める跟歩という歩法を用います。
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